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ご挨拶

企業長挨拶

企業長挨拶 みやぎ県南中核病院企業団 企業長 下瀬川 徹

 みなさん、こんにちは。みやぎ県南中核病院企業団の下瀬川 徹です。日頃より当院をご利用いただき、また、ご支援いただきまして誠にありがとうございます。

 みやぎ県南中核病院は大河原町、柴田町、村田町、角田市の1市3町を経営母体とする自治体病院です。複数の市町で運営されるため地方公営企業法により企業団を組織して病院運営を行っており、私は1市3町から委託を受け、特に経営面と人事面を中心に病院の運営を担当しています。

 当企業団が所轄する施設は、みやぎ県南中核病院(大河原町に所在)と附属村田診療所ならびに附属訪問看護ステーション(村田町に所在)です。主体であるみやぎ県南中核病院は病床数310床、34診療科を備えた急性期病院であり、常勤医師76名、研修医33名(初期17名、後期16名)ならびに多職種の医療スタッフを擁し、仙南地域を中心に県南の広域をカバーする医療拠点です。特に、救命救急医療に力を入れており、病院敷地内にはドクターヘリ発着のヘリポートを設置し、救命救急センターを有する県内有数の救急医療施設として質の高い医療を提供しています。

 平成14年8月に開院してから20年余が経過しますが、開院後間もなく救急告示病院、臨床研修病院、地域医療支援病院の指定を取得し、地域災害医療センター、災害派遣チーム(DMAT)指定病院、地域がん診療拠点病院等の認定を受け、令和5年10月には第二種感染症指定医療機関にも認定されました。救命救急センター、腫瘍センター、緩和ケア病棟を備えた当院は、優れた医療スタッフと最先端の医療設備を整えるなど良質な診療体制の維持に努めており、仙南2次医療圏の医療の要として、高い評価と信頼を得ています。また、医療スタッフの教育環境の整備にも力を注いでおり、研修医、看護師など若い医療スタッフが多数集まり研鑽する教育医療施設としても高い評価を得ています。

 県内の他の地域と同様、仙南も高齢化と人口減少が急速に進んでいます。いま当院に求められるもう一つの大切な役割は、地域包括ケア社会の中心として医療、介護、福祉、保健の連携づくりを推進し、県南全域を視野においた将来の理想的な医療体制を実現することにあります。宮城県は、地域包括ケアシステムの構築を推進するため、平成28年度に各医療施設が将来担うべき役割を明確にする地域医療構想を策定しました。また、令和2年1月末に仙南は厚生労働省から全国に先駆けて「重点支援区域」に指定され、当院と白石市の公立刈田綜合病院の機能分化と医療再編が明確化されました。当院は急性期医療の拠点機能を担い、公立刈田綜合病院は回復期を中心とする医療を担い、両者の連携により将来に向けて効率的で持続可能な医療を提供する方向性が示され、現在、この医療連携が実践されています。総務省のガイドラインに従って令和5年に策定した「公立病院経営強化プラン」で、当院は高度急性期、急性期医療の拠点病院として一層の充実を図るとともに、分娩の再開、地域の感染制御ネットワークの構築、がん診療拠点機能の強化、脳卒中を含む血管外科診療の整備を目標に掲げました。今後5年間はこのプランに従って医療体制整備に一層努めてまいります。

 病院長挨拶でも紹介がありますように、令和6年4月から整形外科の伊勢福修司が病院長に、消化器内科の佐藤晃彦が統括副院長となり、新しい執行部体制で病院運営を行います。当院は、「地域に信頼される、質の高い、親切な医療サービスを提供する」を理念に掲げており、この地域で暮らす住民の皆さまの健康と幸せを守ることを第一の使命と考えています。医療スタッフ一同、みやぎ県南中核病院の職員であることに誇りと責任を持ち、日々の診療に励んでまいります。皆さまの変わらぬご支援を宜しくお願い致します。

令和6年4月吉日
みやぎ県南中核病院企業団

企業長 下瀬川 徹

病院長挨拶

病院長挨拶 みやぎ県南中核病院 病院長 伊勢福 修司

 令和6年4月1日に病院長を拝命しました。
 私は当院設立時の平成14年に1年間、整形外科医師として勤務しました。その当時医師数は21名でしたが、令和2年に再度赴任した際には100名となり、まったく別の病院に赴任したかのように感じました。開院以来20年余を経て、当院は医師数増加だけでなく、地域医療支援病院承認、災害拠点病院指定、救命救急センター指定、第二種感染症指定医療機関(感染症病床4床設置)指定など仙南医療圏の“中核”病院としての機能を充実してきました。腫瘍センターに加えて呼吸器外科、放射線治療科等を整備したことにより令和6年には地域がん診療連携拠点病院に再指定される見込みです。当院は仙南地域で唯一の一次脳卒中センター、急性心筋梗塞受け入れ医療機関、糖尿病専門的医療機関です。今後もロボット手術の導入など時代に合った医療を導入してまいります。

 さて、当院は病床数310床であり、宮城県内の他の地域基幹病院に比べて小規模です。加えて看護職員の不足のために全病床を稼働できていません。当院の病床は高度急性期病床または急性期病床であり、回復期病床はありません。このような事情から、入院患者さんには急性期を脱したら回復期病床・慢性期病床をもっている病院への転院をお願いしています。次の救急車の患者さんを受け入れるために、転院の調整にご理解のほどお願い申し上げます。

 また、当院の外来は待ち時間が長いとお叱りをいただくことが多く、申し訳ないと思っております。外来担当職員を中心に待ち時間短縮への取り組みを継続中です。毎日、地域の病院・診療所からたくさんの患者さんを当院へご紹介いただいており、通院される患者さんが増えています。当院での治療を終えて病状が安定した患者さんには、紹介元の病院・診療所(かかりつけ医)に戻って通院することをお願いしています。当院から診療情報を提供して、かかりつけ医で安心して治療を継続できるようにしております。万が一病気が悪化した際にはかかりつけ医から当院へ紹介いただきますので、ご安心ください。

 これまでも当院の医療は仙南地域の他の医療機関との連携のうえに成り立ってきました。現在、国・県が推進している機能分担・医療連携の構想では、当院は仙南地域において高度急性期・急性期医療を提供する役割をさらに徹底することが求められています。役割分担を意識した協働により、限られた医療資源(職員・病床・設備)を有効に活用して、安全で最適な医療を提供するように努めて参ります。

令和6年4月
みやぎ県南中核病院

病院長 伊勢福 修司